航路は不定、全速前進!

なんでもあり ペルーサは永久に不滅です

タグ:有馬記念

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12月23日、遅番の仕事を終え、駅前のマックで今年初めてのグラコロ・セットを平らげ、西船橋駅行きの列車に乗り込んだ。
船橋法典駅で降り、駅前の日極駐輪場に止めてあった自転車で正門前の駐輪場まで移動。
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すでに中山競馬場前の通りには野宿者の列ができていた。
列の最後尾までひたすら歩き、シートを広げてこの日のために仕入れた寝袋に包まる。
これはいい。ごろ寝の秋天、NASA印の防寒シートのジャパンカップでは味わえなかった温もり。
まだ時間はある、と東スポ競馬面を読んでいると、「初めて並ぶ」という男と警備員の会話の中で
「明日整理6時だよ」という警備員の声。
「え?6時ですか?」「有馬だから特別なんだよ」思わず聞き返してしまう。
こうしてはいられん、とアラームをセットして目を閉じたのが0時20分頃であった。

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翌朝、といってもまだ暗い6時、本当に整理は開始された。そして開門は7時半。
幸いにも昨晩警備員と話していた、新潟から来たという男との会話が弾み、1時間半は瞬く間に過ぎていった。
新潟「でもやっぱりキタサンが凱旋門で走るのは見たかったなあ」
KY「そうですねえ、キタサンブラック対エネイブル、これは歴史的勝負になったはずですよ」
といってもキタサンブラックが凱旋門を回避してあの豪雨の秋天に出ていなければ、私はわざわざチケットと寝袋と新型デジカメを用意してここにいるほどの競馬狂にはなっていないであろう。全くこの世は良くも悪くもままならないものである。
そして開門ダッシュ。最後に「では、よい一日を!」と告げた。

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といっても、今日はリザーブシートに当選しているのでダッシュする必要は実はないのだった。
というわけでのんびりと席を確認し、地下で手荷物(寝袋)を預け、景気づけにピザで一杯。
結論、野宿明けの飢えた体にビールは危ない。この日4杯ほど飲んだが、この1杯目の後が一番アルコールが体に効いていた。

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まず神々に一礼。

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いつも通り第1レースはちょっと真面目に予想するも、信頼の高木―大野ラインのファーマメントがぶっ飛んで完敗。
ええい、やめたやめた。
そもそも新聞を一読したくらいで勝とうというのが間違っているのだ。やはり競馬は気に入った馬の応援(たまに馬券)をしていれば良い。そんなスタイルのファンである。
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この第1レース、ダート替わりで見事な末脚を見せて差し切ったシキシマ。渋いショウナンカンプ産駒で馬名もセンス○。今後も注目。

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内馬場でソーセージ&ビールと共に眺める第2レース。1番人気のギガバッケン&西田雄一郎がこのまま逃げ切り勝ち。

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この日初の芝レース、第4レース未勝利戦は芦毛の評判馬アルーシャが順当に勝ち上がり。すでに大観衆がスタンドを埋める。しかしリザーブシートエリアは立ち見客もなくゆったり観戦。

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第5レース、新馬戦特有の縦列行進。結構好きな光景である。
ここで一頭、目を引く名の馬を発見。
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その名もメロス
単複馬券を買い、最後の直線で「走れ!メロス!」と叫んでみるも、終始後方追走で結局ブービー。
まあこんなもんでしょう。少しづつ速く走れるようになればいいさ。また会おう。
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昼休み挟んで第6レース、ダート1800mの牝馬限定500万。
兄のダイワメジャー共々大好きだったダイワスカーレットの娘・ダイワエトワールが骨折明け10か月ぶりの出走。それで2番人気というのはどうなんだ
ダイワスカーレットは繁殖としては―ライバルのウオッカ同様―現在のところ失敗と言わざるを得ないが、今年までに出産した産駒7頭が全て牝馬というのは特筆に値する。
いうならこの代はひたすら荒れ地を耕す順番ということだろう。20年、30年後を見ているがいい、きっとこの地(血)から再び豊かな実りが・・・。
それはそうとしてダイワエトワール。最内枠を活かしてスムーズに先行し、直線抜け出すも断然人気のアズレージョに差されて2着。OK、これならそのうち勝ち上がれるはず。
ちなみにドマーニのミートソースを食べながら見ていたので写真はなし。

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第7レース500万、ルーキー武藤雅がシャインヴィットゥで24勝目。

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第8レース、クリスマスローズSに船橋(元道営)から参戦のリュウノユキナ。これが中央挑戦4回目。
この日は振るわず。戦績的に中山(というか坂?)が苦手な模様。頑張れ。
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第9レース、有馬と同コースのグッドラックHは、ルメールのステイブラビッシモが1週目のスタンド前で中段外から一気に先頭に立ちスタンドを沸かせる。
スローと見るや1番人気でこのアグレッシブな騎乗ができるのがルメール。今年のダービーはその真骨頂だろう。
しかし勝ったのは直線豪快に伸びたクリスチャン・デムーロのフェイズベロシティ。
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ウイニングラン中からはなみちで下馬した後まで、なでたり首筋をポンポンと叩いたりと、何度も馬をねぎらう仕草を見せていたクリスチャン。いいねえ。

第10レース、フェアウェルSには個人的に懐かしい馬が登場。
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3年前のPOGで指名したモルジアナ。シャケトラの姉だ。
今年は順調に使えてはいないものの、前走上がり最速で3着、鞍上に200勝にリーチのルメールを配し堂々の1番人気。
これは、と人混みをかき分け単勝を買ってきて見守るも、伸びを欠き大敗。まあこんなこともある。
どうもクラブの決まりで引退が近いとのこと。ミスプロとノーザンダンサーが集積された血統を見ると、トーセンラー=スピルバーグか、あるいはアイルハヴアナザーなんか付けたくなるところ。
繁殖としても注目したい。ちなみにトウホクビジンの初仔は父アイルハヴアナザーで来年2歳となる。ラフィアンで募集中!(唐突)
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そして、有馬記念の時間がやって来た。
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リザーブシートエリアも立ち見解放されるほどの混雑。
これは織り込み済みなので馬券は購入済だ。買い目はもちろんキタサンブラックから。私を再び競馬という底なし沼に引きずり込んでくれた名馬に敬意を表して。気持ちよく送り出してやろうではないか!
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本馬場入場。ブラックは1コーナー側へ一目散に向かっていった。
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まあまあよく撮れたものから、
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「ひでぇ」以外の感想が見当たらないものまで。まだまだ精進せねば。

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この時、中山競馬場は曇→雨予報もどこへやらの青空だった。

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いよいよ発送。
ファンファーレの際の拍手は、最初は待ちきれないとばかりのハイテンポなのが、曲の半ばくらいで見事に「整列」されていく。この集合意識がたまらない。


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好スタートからスムーズにハナに立つキタサンブラック。その姿はまさにターフの支配者。
かつて「皇帝」と呼ばれたシンボリルドルフも、このように絶えず存在感を誇示していたのだろう。
ダイワ兄妹といい、切れる馬よりこういうタイプのが好みだ、と気づいたのもブラックのおかげである。
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スタンド前でも先頭。
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3コーナーでも先頭。
キタサンブラックとしては若干緩めのペースに、後続は金縛りにあったかのように動けない。
そして、直線。
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キタサンブラック突き放す!
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力強く坂を登る!
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そして―





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最多タイのGⅠ7勝、テイエムオペラオーの賞金レコードを更新。
最後のレース、これ以上なく自分の競馬を貫き、名実ともに歴史的存在へと昇り詰めた。

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豊も万歳。私も万歳。
ゴール時に勢い余って投げ飛ばした東スポ競馬面はなんとか回収できた。
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この世紀のツーショット(with清水師)もひとまず見納めである。

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ありがとう。キタサンブラック。君の走りを胸に、競馬狂として生きていくことだろう。
また会おう。いつかどこかで・・・。

表彰式も終わり。まだ高揚感に浮かれつつ、当たり馬券を払い戻して手荷物を回収して、と思いながらスタンド内に入ると鋭い叫び声がそこかしこから。
なんだなんだ、と一瞬当惑するが、「そうか、阪神のレースか」。
やはり、競馬場には様々な顔があるものである。

ちなみに、今日唯一の「当たり馬券」がこちら。
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やはり、競馬はこれでいいのだ。

今日は用事があるので簡易版です。

◎オルフェーヴル
○ゴールドシップ
△ダノンバラード
△ヴェルデグリーン
△ウインバリアシオン
△デスペラード
△アドマイヤラクティ
買い目―◎○→△の馬単フォーメーション各500円

1着と2着を完全に分離するという世にも奇妙な買い目w 
なんとなく、この2頭の稀代の癖馬が並び立つことはないんじゃないか?という気がするんですよ。(気のせいかもしれんが)
オルフェーヴルはタイキシャトルになるかシンボリクリスエスになるか?是非とも、この暴れん坊三冠馬にふさわしいド派手なラストランを決めてほしいものです。(ウイニングランで騎手振り落してもええんやで)
ゴールドシップはここで来なきゃもうないでしょう。馬場もパワーとスタミナが要るこの馬向きの馬場になっているそうですし・・・。 

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