前回は「艦これ」について書きましたが、この時代のゲームと言えばKOEIの「提督の決断」シリーズでしょう。
私は艦これをきっかけに提督の決断Ⅳ(PC版)を再びやり出したんですが、それでは飽き足らずに
PB090400
 パワーアップキット(PK)を買ってしまいましたw(一昨日amazonで注文して昨日届いた)
というわけで、今日はこの「提督の決断Ⅳ」について、ということにしましょう。

提督の決断シリーズといえば、日本軍または連合国(大部分はアメリカ)軍 の海軍総司令官となり、基地や艦隊への補給やら外交やら陸軍との会議やらを経て太平洋戦争の勝利を目指す、というのが大筋です。
しかし・・・ 「提督の決断Ⅳ」というゲームはこのようなシステムとは一線を画した作品となっているのです。
 まず、「陸軍」という概念は存在しません。提督の決断において陸軍というものは、初代では会議での海軍の提案を「そんなことをする必要はない」という具体性皆無の理由でつっぱねたり、Ⅱでは会議において総理大臣(東条英機)と参謀総長の二人がかりで軍偏重の無茶な予算・物資の配分を押し通そうとしてくる迷惑極まりない名脇役でした。(特にⅡの陸軍の暴れっぷりはアンサイクロペディアに詳しいのでどうぞご覧ください)
ですが、Ⅳでは陸軍、というか陸上戦という概念すら消滅しております。よって戦争は海戦で全てが決します。
これを 表現しているのが「制海権」システムです。つまり、提督の決断Ⅳにおける支配領域は、線でつながれた「海域」を単位として表されます。同じKOEI作品だと、かつての「信長の野望・覇王伝」や「三国志Ⅵ」のようなものだと考えていただいて結構です。これも、太平洋などを縦横無尽に駆け巡れる従来の提督の決断シリーズとは大きく異なるポイントです。
これによって、 真珠湾攻撃のような、いきなり敵陣深く切り込んでいく奇襲作戦などはできないようになっています(真珠湾攻撃自体はイベントという形で存在しますが)。
そして、提督の決断といえば「日本軍vs連合国(アメリカ)軍による太平洋戦争」が舞台でした。が、Ⅳではその舞台が全世界(の海)に拡大しています。すなわち、「日本・ドイツの枢軸国vsアメリカ・イギリスの連合国」という構図になっており、シリーズにおいてこれまでほとんど姿を見せなかったドイツ海軍や、史実で太平洋方面に配属されていたわずかな艦のみの登場だったイギリス海軍の全貌を拝むことができるというわけです。なお、イタリアはドイツに吸収されています。それを考慮してもドイツは4か国中ダントツで最弱なのですが(陸軍国だから仕方ない)。
また、この4か国の陣営を自由に入れ替えることができます。日英同盟復活や、日本vs英米独なんていう ifを楽しむこともできます。

このように、従来の「提督の決断」とは全く異なるゲームになっている「提督の決断Ⅳ」ですが、私の中では「名作」といえる作品だと思っています。
何よりも、「海戦」が非常に面白い。従来のターン制からリアルタイム制へとこれまたシステムを一新した海戦は、コマンドわずか8個(+委任)というシンプルなシステムながら、一瞬たりとも気を抜けない、奥の深いものに仕上がっています。特に、機動部隊同士の戦いにおける、戦闘開始直後の索敵の時間の緊張感、航空攻撃のボタンに手をかけつつ、索敵機からの「敵艦発見!」の報を今か今かと待ちわびる感覚をリアルタイムで味わえるのは素晴らしいと思いました。
また、魚雷ガン積みの潜水艦や超高速の戦艦を自分で設計して、そいつらのみで艦隊を組んで夜間突入し、通り魔的に敵を殲滅するのも憂さ晴らしにはもってこいです。
というわけで私の中の「提督の決断Ⅳ」は、「提督の決断ではない、しかし名作」という評価です。

長くなってしまったのでPKについてなどは後編中編へ。