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最近は鉄オタの道に目覚め、暇さえあれば時刻表に向き合っております。
日本にはいろいろ面白い列車があるものですが、ある日はふとこんな疑問が浮かびました。
これは調べてみたら面白いのではないか?と思い、数日書けて時刻表を一通り調査したところ、想像以上に面白い世界が広がっていたので、ここにJRの無停止距離トップ10を紹介したいと思います。

・対象は定期運用(臨時列車でない)の、JRの普通乗車券のみで乗車できる列車
・「停車する駅間の距離」を計測するものであり、運転停車などは考慮しない
というルールで計測しております。それでは10位からまいりましょう。

10位 大湊線 快速しもきた
         野辺地〜陸奥横浜 30.1km
JR大湊線と青い森鉄道を直通し、八戸〜大湊間を運行する(1日1往復のみ青森発着あり)快速しもきた。
この列車は大湊線内では尋常でないほど飛ばしており、野辺地を出て大湊線に入ってから初の停車駅が陸奥横浜。さらに次の停車駅が25.4km先のむつ市中心駅・下北。そして隣の大湊が終点であり、58.4kmで3駅にしか停車しません(一部は陸奥横浜〜下北間で近川駅に停車)。

9位 石北本線 特別快速きたみ
         当麻〜上川 31.0km
JR北海道で唯一「特別快速」の種別を冠し、旭川〜北見間を結ぶ「きたみ」。
当該区間は怒涛の7駅連続通過で30kmを超える距離を稼いでいますが、他の区間は通過しても1駅づつとなっております。

8位 山陰本線 快速アクアライナー
       出雲市〜大田市 32.6km
ネームド快速大好きなJR西日本が、山陰本線の米子〜益田間で運用しているアクアライナー。米子から出雲市までは各駅に停車していますが、この区間の7駅連続通過を皮切りに2駅、2駅、3駅と通過しまくり、普通列車では1.5〜2時間かかる出雲市〜江津間を1時間切るという猛スピードで繋ぎます。

7位 千歳線 快速エアポート
        新札幌〜南千歳 33.1km
新千歳空港と札幌を結び、普通列車ながらもJR北海道の看板列車の一つと言っていい存在感を誇る快速エアポート。
基本的にはそこまで派手に飛ばす列車ではありませんが、この度のダイヤ改正で創設される1日2往復だけの最速達タイプがものすごい。札幌から3駅通過して新札幌、そこから8駅通過して南千歳、そして新千歳空港と途中2駅しか停車しません。札幌発が6:56と8:02、新千歳空港発が20:46と21:55となっています。

6位 京葉線 通勤快速
       新木場〜蘇我 35.6km
ところ変わって首都圏。東京駅発の普通列車にもこんなヤバい奴がいます。東京から新木場までは各駅停車なのですが、新木場の次の停車駅が京葉線終点の蘇我。なんと11駅連続で通過します。
全ての便が内房線・外房線に直通(勝浦行きなんてのもある)するので、房総から都心へ長距離通勤してくる人のための列車ということが明確ですね。

5位 石北本線 普通
       上川〜白滝 37.3km
その道ではあまりにも有名な、JR在来線の最長駅間距離。トップ10で唯一の通過駅0となっております。
かつてこの上川〜白滝間には5つもの駅が存在しましたが、現在はいずれも廃駅、あるいは信号場への用途変更がなされています。このランキングの中では5つでも少ないほうですが、北海道の雄大さ、そしてJR北海道の苦境を感じられます。

4位 東海道本線 通勤快速
       品川〜大船 39.7km
東京駅発2本目。天下の東海道本線にもこれだけ無停車で突っ走る普通列車が存在します。
時刻表の表面上では3駅しか通過していない区間ですが、書類上では東海道本線にカウントされる京浜東北線・横須賀線の並行区間の駅を含めれば、驚異の12駅連続通過をしています。
この列車のハイライトはなんといっても横浜駅通過。先の京葉線通勤快速と同じく「遠隔地からの都心通勤の足」であることが明確な列車と言えるでしょう。

3位 釜石線 快速はまゆり
       小佐野〜遠野 40.5km
40kmの大台を破る先駆けは、盛岡から東北本線・釜石線を経由して三陸沿岸の主要都市・釜石まで向かう快速はまゆり。
この快速はまゆりは当区間を筆頭に20km以上無停車の区間を3つも擁する飛ばし屋の星。125.5kmに33駅が存在する区間を走りますが、うち9駅にしか停車しないという優等列車ぶりです。当区間では8駅連続通過。

​2位 根室本線 快速はなさき(上り)
       厚岸〜釧路 46.6km
​日本の鉄道網の最東端、根室本線の釧路〜根室間を走る快速はなさきが2位にランクイン。
途中、門静(もんしず)~尾幌~上尾幌~別保と、上尾幌~別保間14.7㎞を筆頭に9㎞以上の駅間が連続し、通過駅数は6と少なめながらこの距離をたたき出しています。
ちなみに、快速はなさきは1日1往復があり、厚岸~釧路をノンストップで走るのは根室11:03発の上り列車。釧路5:35発の下り列車は、釧路の次の東釧路にも停車します。それでも無停車距離は43.7㎞であり、ランキングに含めていればこの上り列車に次ぐ3位にランクインする大物です。

さあいよいよ1位の発表となりますが、その前に一つ番外編を挟みたいと思います。

番外 篠ノ井線 快速(臨時)
        明科〜長野 ​47.8km
60㎞程度と小規模ながら信越本線へ直通し、松本・長野という県下一、二の都市をつなぐ重要路線・篠ノ井線。そこを走る名無しの臨時快速です。塩尻を6:57に出る下り列車のみがこのダイヤで走り、長大な第二白坂トンネルの目の前にある明科駅を7:23に出てからはノンストップで突っ走り、終点・長野駅に8:11で到着します。10駅連続とだいぶ通過駅が多い割には、明科~長野間の所要時間が定期の快速列車とほぼ変わらないのですが、それは臨時列車ゆえ、でしょうか?
この列車はランクインさせようかだいぶ迷いました。臨時列車ではありますが、行事目当ての観光列車ではなく「3/16~6/30の平日のみ運転」で時間も早朝というところは、如何にも日常の足という雰囲気が感じられるからです。運行実績次第では定期に昇格という可能性も感じますし、割と近いところなので一度乗りに行ってみたいですね。

1位 山田線 快速リアス
      上米内〜陸中川井 
        ​63.6km
岩手県都・盛岡とその真東の港湾都市・宮古をつなぐ一見重要そうな路線であるものの、並行する急行路線バスに押されて区間列車以外は1日4往復という危機的状況にあるローカル線・山田線。その山田線の看板列車というべきネームド快速・快速リアスが堂々の1位に輝きました。屈強な挑戦者たちを鼻で笑うかのごとく、50㎞超えて60㎞台!
山田線は北上山地のど真ん中をブチ抜いていく大変な路線であり、この無停車区間のはじまりである上米内から次の区界(くざかい)までは、いくつもトンネルを抜けながら25.7㎞を走ります。かつてはこの間にもいくつか駅があったようですが・・・。その後も松草まで8.0㎞、平津戸まで8.6㎞、川内(かわうち)まで9.3㎞と長距離を刻み、箱石まで4.2㎞、さらに7.8㎞を走り陸中川井駅に到着します。
これだけ長い無停車区間の間に駅が5つしかないあたりからも、秘境路線ぶりが感じられることでしょう。この列車が朝に走っていれば、三陸観光のスタートにとても便利だと思うのですが、盛岡駅発の最初の快速リアスは11:06発。ちょっと残念な時刻ですね。ちなみに盛岡から山田線を全線乗り通せる1番列車がこれです。宮古発なら5時ちょうどに出る普通列車と9:26発の快速リアスがあるのですが・・・。盛岡から三陸へ鉄道でアクセスするなら、先にも紹介した快速はまゆりの方が便利です。

いかがでしたでしょうか?時は折しも青春18きっぷシーズン、この記事を見てこれらの列車に乗りに行く方がいらっしゃれば、一人の鉄道ファンとしてとても嬉しく思います。
ちなみにこのネタの原点となった信越本線快速、柏崎~来迎寺間は20位以内には入っています。一応25位くらいまでは調べてあるので、要望があれば11~20位も公開できると思います。